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アジア太平洋地球変動研究ネットワーク

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ISAP2026にて「SDGs国際フォーラム2026:シナジーで捉える気候変動と生物多様性」を開催

2026年7月22日、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が主催する「第18回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2026)」がラッセホール(兵庫県神戸市)にて開催されました。初の関西開催となった今回のISAPには、環境課題の最前線に立つ専門家をはじめ、国際機関、政府、企業、NGOなど多様な関係者が参加しました。

当日は、石原宏高環境大臣、守本真一兵庫県副知事、武内和彦IGES理事長による開会挨拶に続き、アルミダ・S・アリシャバナ国連事務次長・国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局長による基調講演や、国内外の専門家によるパネル討論、パラレルセッションなどが行われました。

こうしたプログラムの一環として、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)は、兵庫県との共催により、パラレルセッション「SDGs国際フォーラム2026」を開催しました。日英同時通訳付きで実施された本セッションには、国内外から196名が参加しました(会場70名、オンライン126名)。

本セッションでは、「シナジーで捉える気候変動と生物多様性」をテーマに、沿岸域の生態系を活用した統合的な課題解決に向けた国内外の実践事例や知見が共有されました。

■ 講演「ブルーカーボンからの海と都市の関係性の再構築と持続可能な地域づくり」
信時 正人氏(神戸大学カーボンニュートラル推進本部 客員教授)

信時氏により、横浜市や兵庫県における昆布・海苔の活用事例が紹介され、ブルーカーボンの取組が、脱炭素だけでなく、生物多様性保全や地域経済の活性化など多面的な価値を生み出すこと、また、それらの価値を定量的に評価し、活動主体への資金循環につなげる仕組みの重要性が示されました。

■ 講演「気候・生態系・地域社会を考慮した熱帯地域における沿岸リスク低減の科学と実践の高度化」
アイディ・モハメド・シャワル・ビン・M・ムスリム氏(マレーシア・トレンガヌ大学 海洋環境研究所 リモートセンシング・海洋インフォマティクス部門長兼教授)

APN支援プロジェクト「CRRP2022-06MY-Muslim」のプロジェクトリーダーであるアイディ・ムスリム氏により、マレーシアやインドネシアの熱帯沿岸域において沿岸生態系(マングローブ・サンゴ礁等)を活用したEco-DRRが、防災・減災と生物多様性保全を同時に実現すること、さらに社会的脆弱性を組み込んだ沿岸脆弱性指数(CVI)が国家政策に採用されるなど、科学的知見が政策へ反映された具体例が示されました。

■ ディスカッション
コーディネーター:山崎寿之APNセンター長
パネリスト:信時正人氏、アイディ・ムスリム氏

山崎寿之APNセンター長の進行のもと、シナジーを理論から実践に移すための鍵として、関係者を分野横断的につなぐプロデューサー的人材の必要性や、地域住民が意思決定に参画し当事者意識を持って取り組む仕組みづくりの重要性、さらに、多様なステークホルダー間のパートナーシップ構築が不可欠であるとの認識が共有されました。

■ 主要メッセージ

  • 自然を活用した解決策であるブルーカーボンやEco-DRRなどの取組は、気候変動対策と生物多様性保全のシナジーを実現する有効なアプローチ。
  • それらの取組を持続的に発展させるためには、自然がもたらす多面的な価値を適切に評価・可視化するとともに、その価値を地域へ還元する資金循環や、地域住民が主体的に参画できる仕組みを構築することが重要。
  • シナジーを理論から実践へと移すためには、分野横断的なリーダーシップや官民連携を強化するとともに、研究者、行政、地域コミュニティ、企業など多様な関係者間のパートナーシップ構築が不可欠。
  • 科学的知見を政策や地域の実践に反映させることが重要であり、そのためには、研究者、行政、地域住民が初期段階から協働して共同設計(co-design)を進めることが必要。

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