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アジア太平洋地球変動研究ネットワーク

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気候変動×防災フォーラム 開催報告 開催報告(動画あり)

2024年3月10日、APNは、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科とともに、「気候変動×防災フォーラム」を開催しました。本フォーラムの模様は、HAT神戸の会場から、日英同時通訳付でオンライン同時配信され、国内外から約110名(会場約30名、オンライン約80名)の方が参加しました。

近年、想定を超える気象災害が世界各地で頻発し、「気候変動」はもはや「気候危機」であると言われています。 このたび、「気候変動×防災」をテーマとし、県民の皆様に、世界中の気候変動を当事者目線で考え、身近に感じる機会を提供するため、本フォーラムを開催しました。

開催にあたり、リンダ・アン・スティーブンソン APN事務局プログラムディレクターより開会挨拶を行いました。
スティーブンソン プログラムディレクターは、国の共同メッセージにおいて、「気候変動対策」と「防災・減災対策」を効果的に連携して取り組むことが示されたが、今私たちは、来年30周年を迎える阪神・淡路大震災の経験を始めとする様々な災害の経験や、SDGs(持続可能な開発)の理念を踏まえ、あらゆる主体の連携・協力の下、国際的な取組も進めつつ、次の災害により強いリカバリーのあり方(適応復興)を考えていくことが求められていると述べました。

開会挨拶
リンダ・アン・スティーブンソン
APN事務局 プログラムディレクター

第1部では、谷口博 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授より、「気候変動がもたらす気象災害と身近な環境への影響」をテーマに、基調講演を行いました。谷口准教授は、気象と気候の違い、地球温暖化のメカニズム、地球温暖化の影響などについて、分かりやすく説明いただきました。

基調講演
谷口博 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 准教授

第2部では、馬場美智子 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授をファシリテーターに迎えて、海外事例紹介を行いました。

海外事例紹介
ファシリテータ―:馬場美智子 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 教授
パネリスト3名

始めに、モンゴルの干ばつ事例について、スバダンツエツエゲ・バルタ モンゴル科学アカデミー 運営企画・国際協力部門長より、「モンゴルにおける気候変動の影響および遊牧・牧畜システムの適応の選択肢」をテーマに発表いただきました。

海外事例紹介
スバダンツエツエゲ・バルタ モンゴル科学アカデミー 運営企画・国際協力部門長

次に、フィジー及びサモアの水害事例について、アーンドレーウス・ニーフ オークランド大学(ニュージーランド)教授より、「海面上昇から洪水やサイクロンまで:フィジーおよびサモアのマルチハザードリスク環境の課題」をテーマに発表いただきました。

海外事例紹介
アーンドレーウス・ニーフ オークランド大学(ニュージーランド)教授

続いて、参加者との質疑応答・ディスカッションでは、「今起こっている気候変動は不可逆なのか。それとも、我々にやれることはまだあるか。」、「モンゴルやニュージーランドにおける次世代に向けたESD(持続可能な開発のための教育)」について活発な議論がなされました。

最後に、馬場教授より閉会挨拶を行いました。馬場教授は、地球規模で起こっている気候変動を理解することはなかなか難しいが、本日は3名の講師より、温暖化のメカニズム、脆弱な人達への影響、私達がそこに住むことすら難しくなってくるような現状等について、非常に分かりやすく説明いただいたとし、本日のフォーラムを契機に、私達は地球の仲間として身近な問題として考えていかなくてはならないと述べました。

閉会挨拶
馬場 美智子 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 教授

フォーラム終了後、参加者から回答いただいたアンケートでは、今回のフォーラム全体の感想として、「非常に良かった」(58%)と「良かった」(42%)を合わせて100%となるなど、大変好評をいただきました。また、「基調講演と事例報告との組み合わせで、温暖化とその影響、その対策等の説明があり、非常に分かりやすく、有意義な内容だった。」という感想をいただきました。

APNでは、今後も、兵庫県、関係機関、研究機関などと連携しながら、県民の皆さまと環境問題についての認識を深めるための取組を進めてまいります。

当日のプログラムは、こちらよりご覧ください。