2020年2月22日、APNは、神戸大学内海域環境教育センター、公益財団法人国際エメックスセンターと共催で、「沿岸域の生物多様性と環境修復 – 新たな課題と最新のモニタリング手法 – 」と題してセミナーを開催しました。
当セミナーは、兵庫・神戸に集積している様々な研究機関や国際機関が連携し、環境に関する課題を住民の方々と共有し考える契機として、また、若い世代に環境問題について興味を持ってもらうことを目的として開催したものです。当日はあいにく不安定な天候でしたが、80名を超える方々にご参加いただきました。
セミナーは、海外からの講演者も迎え、日本語と英語の同時通訳で開催しました。カナダ政府水産海洋局のThomas Therriault博士は、沿岸部の環境モニタリングについて講演され、外来種であるワタリガニに着目したモニタリング手法について話されました。オーストラリア・クイーンズランド大学海洋科学センターのKevin Thomas教授は、微小プラスティックが私たちの身の回りに偏在することについて話されました。京都大学地球環境学堂の田中博士は、極微小化したナノレベルのプラスティックのプランクトン内の存在状況等について考察を述べられました。共催者の一つである神戸大学の研究者の方々も、環境DNAや流域の生物の多様性、海の富・貧栄養化などについて示唆に富んだ講演をされました。
後半のパネルディスカッションには、神戸大学の大学院生、環境再生の取り組みを続けており、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールにも認定されている、兵庫県立尼崎小田高等学校の2名の高校生も加わり、活発な意見交換が行われました。
海洋プラスティックの増加や地球温暖化などが私たちの生活に大きな影響を及ぼしている現在、幅広い年代、国籍の多くの方々にセミナーに参加いただいたことが、環境問題への関心の高さを示していると思います。中でも中・高校生を含め、2割超が未来を担う学生の方であったことを非常に心強く思います。
今後とも、各機関が連携しながら、住民の皆さんと環境問題についての認識を深めるために、様々な取り組みを進めてきたいと考えています。